VS Code をフォークした AI 統合 IDE。CLI 型ツールと違って「エディタの中で完結する」のが特徴。普段から VS Code を使っているなら学習コストは最小。
「Cmd-K と Cmd-L と Cmd-I の違い」が最初の関門なので、そこは表で並べてある。
凡例
- 🟢 安全 — 読み取り・参照のみ
- 🟡 注意 — ファイル編集・コマンド実行・課金発生
- 🔴 危険 — エージェント全自動・破壊的操作リスクあり
クイックリファレンス
キーボードショートカット
| キー | モード | 用途 |
|---|---|---|
Cmd-K / Ctrl-K | Inline Edit | 選択範囲を直接書き換え |
Cmd-L / Ctrl-L | Chat (Ask) | サイドパネルでチャット |
Cmd-I / Ctrl-I | Composer / Agent | 複数ファイルにまたがる変更 |
Tab | 補完 | 全部受け入れ |
Cmd-→ / Ctrl-→ | 補完 | 1 語だけ受け入れ |
Esc | 補完 | 拒否 |
CLI 起動
| コマンド | 用途 |
|---|---|
cursor . | カレントディレクトリで開く |
cursor <path> | 指定ディレクトリ/ファイルで開く |
@ 参照(Chat / Composer 内)
| トークン | 用途 |
|---|---|
@filename | 特定ファイル |
@Folder | フォルダ全体 |
@Codebase | リポジトリ全体を検索 |
@Docs | Cursor が知っているドキュメント |
@Web | Web 検索 |
インストール
公式サイト からダウンロード → インストーラを実行。初回起動時に VS Code の設定・拡張機能・キーバインドをインポートできる。
CLI からも起動できる:
cursor . # カレントディレクトリで開く
cursor path/to/dir # 指定ディレクトリで開く
cursor file.ts # 単一ファイルで開く
cursor コマンドは初回起動時にパスへ追加される(macOS は手動で「Shell Command: Install ‘cursor’ command in PATH」を実行する必要あり)。
3つの主要モード(最重要)
Cursor で混乱しがちな「Cmd-K / Cmd-L / Cmd-I」の違い。
| ショートカット | モード | 何をする |
|---|---|---|
Cmd-K (Mac) / Ctrl-K (Win) | Inline Edit | 選択範囲を直接書き換え。プロンプトを書いてその場で適用 |
Cmd-L / Ctrl-L | Chat (Ask) | 右パネルでチャット。コードを生成・質問・解説 |
Cmd-I / Ctrl-I | Composer / Agent | 複数ファイルにまたがる変更。エージェント的に動く |
Cmd-K(Inline Edit)
(コード選択) → Cmd-K → 「TypeScript の型を厳密化して」 → 自動で差分提示
🟡 注意 / 変更は即座に提案されるが、accept/reject はユーザー。意図しない範囲を書き換えていないか確認。
Cmd-L(Chat)
サイドパネルが開く。@ でファイル・フォルダ・シンボルを参照に追加できる:
@filename— 特定ファイル@Folder— フォルダ全体@Codebase— リポジトリ全体を検索@Docs— Cursor が知っているドキュメント@Web— Web 検索
Cmd-I(Composer)
複数ファイルにまたがる作業向け。「機能を追加して」「リファクタリングして」のような粒度の大きいタスク。
Agent モードに切り替えると、ファイル編集・コマンド実行を自律的に行う:
🔴 危険 / Agent モードで --full-auto 相当に振ったまま放置するとリスク。実行前にどのコマンドを許可するか設定で絞る。
Tab 補完
入力中に Cursor が次に書く内容を予測してグレー表示。
Tab— 補完を全部受け入れEsc— 拒否Cmd-→(カーソル右)— 1語だけ受け入れ
🟢 安全 / 補完は editor 上の表示のみ。受け入れない限りファイルは変わらない。
.cursorrules / .cursor/rules
プロジェクトルートに置く前提知識ファイル。Claude Code の CLAUDE.md に相当。
.cursorrules # 旧形式(単一ファイル)
.cursor/rules/ # 新形式(複数ファイル)
.cursor/rules/typescript.mdc # 例: TypeScript 用ルール
.cursor/rules/security.mdc # 例: セキュリティ規約
.mdc 形式の例:
---
description: TypeScript のコード規約
globs: ["**/*.ts", "**/*.tsx"]
alwaysApply: false
---
- export はファイル末尾にまとめる
- 型推論が効くなら明示的型注釈は省略
globs で適用対象を絞れるので、「テストだけ」「特定ディレクトリだけ」のような細かい運用ができる。
モデル選択
設定または各モード上部のプルダウンで切り替え。
主要モデル(執筆時点):
- Claude Opus / Sonnet 系
- GPT-5 系
- Gemini 2.5
- Cursor 独自の Fast / Small モデル
「重要な refactor は Opus、量産は Fast」のように使い分けると効率的。チャット中に /model で切り替え可能。
設定ファイルの場所
| 場所 | 内容 |
|---|---|
Settings UI(Cmd-,) | GUI で設定 |
~/.cursor/... | ユーザー設定 |
.cursor/ (project) | プロジェクト設定 |
.cursorrules / .cursor/rules/ | プロジェクト前提知識 |
.cursorignore | エージェントから見せたくないファイル |
.cursorignore は .gitignore と似た形式で、AI に読ませたくないファイル(秘密情報、生成物、大きすぎる依存)を除外できる。
プライバシーモード
Settings → Privacy で「Privacy Mode」を ON にすると、コードが Cursor のサーバに保存されない。
- ON: 推論時のみ送信、ログ保持なし。業務利用ならほぼ必須
- OFF: モデル改善目的でコードが学習素材化される可能性
🟡 注意 / 既存組織で利用するなら、Privacy Mode の設定統一を最初に決める。
セキュリティで意識すること
- Agent モードを使うときは「許可するシェルコマンド」「拒否するシェルコマンド」を Settings で先に決める
.cursorignoreに.envsecrets/id_rsa等を必ず追加- Privacy Mode を ON にしないとリポジトリの全コードが Cursor のサーバに送られる可能性
- 拡張機能は VS Code Marketplace 経由ではなく Cursor 公式のもの優先(一部の VS Code 拡張は動作未保証)
つまづきがちな点
「Cmd-K と Cmd-L と Cmd-I の使い分けが分からない」 → 上の表を覚える。短く言えば「点の編集 = K」「会話 = L」「面の編集 = I」。
「Tab補完がうるさい」
→ Settings → Cursor Tab → 有効範囲を絞る、または Ctrl-Shift-P で Toggle して一時無効化。
「Composer の Agent モードが暴走する」 → Settings の Agent → Approval Settings で「コマンド実行は手動承認」に倒す。完全自動運転は隔離環境のみ。
「料金が想定より高い」 → Pro プランは月固定だが、API キー直接利用のときは従量。Composer/Agent は1ターンで複数モデル呼び出すので、設定で「Slow Pool 優先」にすると料金を抑えられる。
このページは執筆時点の挙動。Cursor は更新が頻繁なので、致命的なオプションは 公式ドキュメント で確認してから使う。